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フェリーが定刻通りに運航されたならば、名瀬を早朝5時40分に出て那覇に19時に着くところでした。この場合船内で朝食と昼食をいただき、夜は勿論那覇の居酒屋で上陸記念の祝杯です。しかし既報の通り朝は出発前に宿で食べ、昼に船内でカップ麺を食べました。そしてこのままいくと那覇に着くのは23時過ぎです。

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深夜になってしまいますが居酒屋での祝杯は予定通り行うとしても、それまでに何も食べないのでは流石に腹がもちません。これを見越して乗船前に名瀬のコンビニでパンを一つ買っておきました。これを食べて繋ぎとします。

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与論島に入港しました。島が近付いたところで甲板に出たところ、何とも印象的な事が二つありました。一つは、どんより曇って且つ日暮れが迫る薄暗い中にあって尚、砂浜の美しさが目に眩しかったことです。そしてもう一つは、風の強さは沖永良部島までと変わらないというのに、より暖かいことです。気温が下がるこの時間帯だというのにです。気候が変わる線をまた一つ越えたのでしょうか。ちなみに現在は17度です。

沖縄はまさに目前で、日が暮れつつある暗がりの中に沖縄本島の島影がはっきり見えます。こうなると色々な意味でもはや沖縄ですが、行政上はここまでが鹿児島県です。既に九州本土から600km離れました。鹿児島県の県域というのはかくも南北に広大なのです。

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話が前後しますが、沖永良部島に入港する直前、まさに数分前の出来事です。本船と入れ替わりに鹿児島へ向かうマリックスラインの大型フェリーと至近距離ですれ違いました。それだけではありません。鹿児島から奄美へ渡った時の航路のこれも反対行き、奄美大島、喜界島経由の奄美海運のフェリーも間近にいて、この二隻と同時にすれ違ったのです。とにかく三隻の距離が近く、これも港のすぐ近くだからこそでしょう。船が遅れたからこそ見られた奇跡的な光景でした。

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九州本土から南へ550km、沖永良部島は和泊港に入港しました。次に寄港する与論島が見えているのが印象的です。本格的な防波堤が無く埠頭は半ば外洋に曝されたような状態で、下船タラップの目の前で波が砕ける様は迫力満点です。空が厚い雲に覆われて暗く曇っているのがたいへん残念です。

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船内でいただく本日の昼食は、昨日名瀬のスーパーで買っておいたカップラーメンです。広いレストランの片隅に給湯器が置かれていてありがたいです。余談ですがこの給湯器、茶も出るのにコップの用意がありません。この一貫性のなさはどうしてなのでしょう。

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徳之島は亀徳港に入港しました。海岸は遠浅で、無理矢理掘り込んだであろう港に向かって防波堤の間をすり抜けるように急旋回して近付く様が印象的でした。後方には未だ加計呂麻島やその南側の幾つかの島が見えています。

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マルエーフェリーのフェリー波之上に乗船しました。鹿児島から名瀬まで乗ったフェリーの三倍の排水量がある大型船はやはり違います。車両甲板は三層構造で、中で二回坂道を登って上の階へ上りました。船内各所も勿論広く、公共部がゆとりのある贅沢な造りになっています。

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また、最上部の広大な甲板に出て周囲の景色を見渡すことが出来ます。これは評点が高いです。やはりフェリーはこうでなくてはいけません。

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奄美大島へ来た際には一夜を過ごすため、千円足して寝台を奢りました。これに対して今日は乗船時間はほぼ同じですが、日中の乗船なので二等です。寝たとしても軽い昼寝、仮眠程度でしょう。早起きを回避したことで尚更になりました。そもそも律儀なくらいに等間隔に並んだ三つの島と本部港にも寄港していくのですから、寝ている暇などないと言えます。

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加計呂麻島で泊まった一日を除いて、奄美大島で延べ十四日間も世話になったのは、名瀬にある福という宿でした。

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名瀬の市街地にあって一泊1,800円と聞けば、誰もが相部屋のドミトリーと思うでしょう。私も勿論そうでした。実際に訪ねてみて個室と知った時には本当に驚きました。これでとんでもないボロ家だというなら話も変わってきますが、そうではありません。ぴかぴかに綺麗というわけではないし清掃が行き届いているわけでもないのですが、特に不満や問題はなく過ごせました。何といっても個室でこの価格というのは絶大な価値です。

名瀬の市街地なので周辺には何でもあります。特に前述の地場のコンビニ島人マートは隣りの敷地、目の前です。他にもスーパーや飲食店、図書館など全て徒歩範囲でたいへん便利です。館内は少々手狭ですが、冷蔵庫、電子レンジ、トースターはあります。ただし台所はないので本格的な自炊は出来ません。洗濯機は一回200円、洗剤は無料、干す場所がないので部屋で干すか、すぐ目の前がコインランドリーなのでここで乾燥機が使えます。

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難点は二つ。まずWiFiがないことです。しかし、前述の通り町中には鍵付きで速度も十分のWiFiが飛んでいて誰でも無料で使える公共の施設もありますし、それから島人マートはイートインコーナーが広大で多くの卓と椅子が置かれ、ここも無料のWiFiが飛んでいます。
それより問題なのはバイクを停める場所がないことです。厳密には駐車場もあるのですが、一泊300円かかってしまいます。そして道沿いだし屋根があるわけでもありません。結局は目の前の路地に置くことになりました。小型バイクの特権と言えなくもないですし取り締まりの心配も全くないのですが、路上駐車であることに変わりはありません。これに抵抗がある人は駐車代を払って条件が何も変わらない駐車場に置くことです。

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余談ですが、冷房は別料金がかかります。今の季節は関係がない事ですが、奄美の一番良い季節、即ち真夏に泊まるのならばこの事を併せて考えねばならないでしょう。

宿を営まれているのは物静かな老夫婦です。ご主人も奥様も穏やかでとても親切、客室は一階、お二人の暮らしの場は二階なのですが、こちらから呼ばない限りはやたらと降りて来たりはしません。昼間部屋に居る時なども気兼ねなく過ごせるのですが、そうかと思うと既報の通りに食事を御馳走してくれたり、風が強いからこれでバイクカバーを留めなさいとわざわざゴムバンドを部屋に持ってきてくれたりしました。今回はたいへんお世話になりました。

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ぴったり四時間の遅れでフェリーが名瀬新港に入港しました。今は埠頭で乗船待ちをしているところです。

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こうも遅れた理由は何だったのか気になっていたわけですが、窓口に置かれたホワイトボードの記述によれば、乗客に怪我人が発生して搬送していたという事でした。船内の風呂で足を滑らせて頭でも打ったのか、真相は分かりませんが、四時間も遅れたとなると一旦出港した後鹿児島港に引き返した可能性もあります。

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さて、船が大幅に遅れたことで朝ゆっくりと寝られたわけですが、怪我の功名がもう一つありました。大型フェリーがゆっくりと入港してきて接岸する、迫力満点の光景を目の当たりに出来たことです。

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フェリーが定刻通りの運航ならば、名瀬港への入港は早朝5時、5時20分頃から乗船を開始して5時50分出港の予定でした。乗船して一息ついてから朝食を食べるべく昨日の夕方にスーパーで弁当を買っておいたのですが、この時間に宿で悠長に食べることになるとは思いませんでした。

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