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今日は遊魚舟を再訪、予約して行きました。前回訪ねて分かったのは、予約なしの飛び込みで入れたのは偶然の幸運だったということ。独酌であってもです。そしてこの店は一人で予約してくる地元客が当たり前のようにいるので、気後れすることもありません。

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やはり素晴らしい店です。これぞ大盤振る舞い、千五百円と言われても十分に納得する分量たっぷりの刺盛りが、お通しと称して僅か五百円で出されます。普段居酒屋の店内で写真を撮ることは好まないのですが、これは撮らずにはいられませんでした。ただ安くて多いだけではありません。鮮度抜群で文句なしの美味なのです。
そして生ビールはクラシック、中ジョッキが四百円とこちらも実に良心的です。お通しの他にも一品くらい注文しなくてはと思い品書きに目を通すと、ししゃも焼きは「鵡川産、オス、大」と書かれているので即決しました。オスだけを出す店というのがありそうでなかなかないもので、誠実です。九百円とあったので二尾だと思っていたのですが、何と四尾も乗ってきました。こちらも味も文句なし。お通しにししゃも焼き、生ビール二杯に300mmlの冷酒を一つ、ハイボール一杯で3,500円という会計は信じられない程の格安です。

かように素晴らしい店なのですが、残念ながら今回は隣客に恵まれませんでした。店の入口に扇風機があって奥に向かって風を送っていたのですが、私より入口側にいた二人組の煙草の煙が顔を直撃します。カウンターの椅子が回転するもので、且つ反対隣りの席が空いていたのでせめて救いで、背を向けて口を塞ぎ、吸い終わるのを待つしかありませんでした。喫煙を許す店の側にも問題があるとはいえ、人の風上で煙草を吸うとは。
しかもこの連中、私よりも先に来ていて、私が席に着いた時には既に刺盛りの皿を前にしていたのですが、私が退店するまでの一時間ちょっとの間に一切れも食べることをしませんでした。中年男の二人組が延々とお喋りをし、煙草をふかすだけなのです。折角の刺身も乾いてしまっていたでしょう。これだけのものを出している主人に対して、いくらなんでも失礼ではないか。
隣客がこのようなクズだったのは残念でなりませんでしたが、この店はやはり秀逸です。函館のことを知り尽くしているライムライトの主人シナチクさんをして「最強の居酒屋」「これ以上の店は存在しない」と言わしめるのも当然でしょう。次に函館に来た時も予約をしてこの店に真っ直ぐ向かうことがほぼ確実です。

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バスに乗ってすすきのにやって来るというのも、先月札幌に来た時と同じです。目指すは狸小路のアーケードです。ただし、今日は居酒屋を訪ねることにそこまで能動的ではありませんでした。色々な理由がありますが、一つが、札幌という町の貧弱な居酒屋事情です。
二百万都市であり全国でも有数の繁華街を擁しているというのに、こと居酒屋に関してはお寒いとしか言いようがありません。確かに教祖おすすめの「魚菜」や自力で発見した「からし屋」など名店はあります。しかしこれらはどちらも古い雑居ビルの四階にあり、一見には入り辛いし、気楽にふらりと訪ねられる本来の居酒屋らしさをやや欠いています。

しかしこれは納得出来る事でもあります。誤解を恐れず言うなら、食文化が未成熟という北海道の性質が道都の居酒屋事情にそのまま反映されているのです。何れにせよ、札幌という町が居酒屋探訪に強く駆り立てはしないのです。でも今日は消極的な動機もありました。ライダーハウスねこじゃらしは狭い宿で、寝るための部屋しかありません。飲食は禁止されてはいないのですが、缶ビールの一個に弁当を買ってきて素早くそれをいただいて終わり、というならまだしも、私のように晩酌をゆっくり楽しみたい人間の居場所がありません。まして今日は七人の満員ということで、既に寝袋が敷き詰められた状態です。外で飲み食いして戻るより他にない状況でした。

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さて得意の前置きが長くなってしまいましたが、現地在住の後輩の薦めに従って訪ねたのがせいすという風変りな屋号のこちらの店です。大勢の人が行き交う狸小路の只中に、巨大な文字を記した簡潔ながらも迫力ある暖簾は抜群の存在感を放ちます。店内は広く、ゆったりしていて、店員は自由な服装をした若者ばかり。居酒屋というよりまるで都心の喫茶店のような雰囲気です。

生ビールがスーパードライなのが実に残念です。旭川の「炉端楽」もそうでしたが、北海道だと尚更です。海鮮を中心にあらゆるものが揃い、全ての品について産地が明記されています。主役は牡蠣で、いくつかの産地のものを自由に選ぶことが出来、大ぶりで美味な生牡蠣は一つから注文出来、350円という良心的な価格です。牡蠣フライも同様に一つから注文出来、こちらは400円。これも目の覚めるような美味で、大きめに刻んだ玉葱が入るタルタルソースも素晴らしい味わいです。
一方で寄せ豆腐が650円など、他の品はやや高めの値付けです。店の造りや雰囲気からしても、若い女性や恋人連れを当て込んだことは明らかで、実際の客層もその通りです。しかしカウンターが長いので独酌で居心地がよろしくないかというと、空いているならそんなこともありません。牡蠣が好きな人が酒を添えてひたすら牡蠣を楽しみたいという、絞った目的で訪ねるならば悪くないでしょう。

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HOの過去の号に掲載されていたのを見て訪ねました。結論から言うと、旭川で是非また先発にしたいと思える名店と出会えました。繁華街の中心部、古い飲み屋小路にあります。向かいは何度も訪ねたことのある蜂屋五条創業店の裏口でした。そこに縄暖簾の渋い店構え。ここは店内の雰囲気が実に良いです。かなり古い民家のようで、使われていない二階が半分吹き抜けのようになっています。そこを天井で全部塞ぐことを敢えてせず、少し開けてあるのです。その天井の高い感じが居心地を好くしています。その二階で大きな換気扇が回っているところが絶妙です。ラジオを流すのは個人的には好きではありませんが、音量が控えめなのが良く、ラジオの音と換気扇の音がむしろ店内を静かに感じさせます。
客層も良いです。唯一の先客はいかにも好事家といった独酌の先輩。後から勤め人姿をした、礼儀正しく品の良い若者の二人組。さらに独酌の若者が一人、こちらも物静かです。品書きは木に筆書き、加えて黒板に本日のおすすめが書かれ、こちらも味わいがあります。品数が徒に多くないところも好感が持てます。

まずは刺盛りを所望したのですが、これが絶品。一切の誤魔化しが効かない雲丹も素晴らしいネタで、締め鯖に至っては美味さに感心しました。焼き物は厚揚げと糠こまいを。一つ一つ丁寧に焼いてくれるのでとにかく美味いです。席数は多くなく、それを二人で切り盛りする、こうした小さな店で飲む特権です。そして鮭の切り込みの振る舞いがあったのですが、塩気も発酵の度合いも浅めのこれがまた絶品です。
弱点もあります。生ビールがスーパードライなのは全くいただけません。北海道だと尚のこと残念です。酒の揃えもやや弱く、北海道の地酒でこれだというものがありません。しかし総合点の高さは褒め称えるに十分でしょう。繰り返しますが、次に旭川で居酒屋を訪ねる機会があったなら是非またここを先発にしたいです。

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三日間にも及んだ釧路の夜の最後を、ここで締め括ります。中一日で鳥善の暖簾をくぐりました。無事に席に着けて本当によかったです。こうして改めてよく見ると、癖の強い店です。でっぷりと太って一重瞼が垂れ下がった主人はお世辞にも人相が良いとは言えず、それで目が合ってもじろりとこちらを見るだけでいらっしゃいませの一言もないのだから、一見はこれだけで退散してもおかしくありません。私だって本来こういう店は好まないのですが、ここのザンギの美味さはそれらの事を超越しているのです。

鶏肉というのはこうも美味な食材たり得るのか。衣を付けて油で揚げるという調理法はこうも昇華するものなのか。昨日の反動もあるのかも知れないですが、それでも中一日でここまで感動出来るというのが偽りない事実です。もし私が釧路に住んでいたなら、本当に毎日通ってしまいそうです。最後にこれが食べられて本当によかった。そしてどうかいつまでもこのままで。

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二軒目へ移行します。三日目だからこその冒険が出来ると言いましたが、最たるがここです。これまで何度も前を通りながらも、素通りを繰り返していました。飲み屋街のど真ん中の角地という、良過ぎる立地に懐疑的になるからです。しかしこれは私の悪い癖でもあります。立地が良過ぎると益体もない店という理屈は、あながち間違いではないと思うものの、当たり前ですが全てに当てはまるわけではありません。つまるところ居酒屋というのは入ってみないと分からないのです。
それでも実際に入ってみようと思うきっかけが、一昨日ありました。この店は往来から中の様子がよく見えます。一直線のカウンターに着いた全ての人の前に当店名物のつぶ焼きが置かれ、皆が黙々とそれを食べていたのです。専門店らしいその潔い雰囲気を好ましく思ったのでした。

ところがいざ席に着いてみると、その潔さは想像を超えるものでした。品書きに書かれているのはつぶ焼きとラーメン、あとは酒類だけ。これだけなのです。ラーメンだけを食べに来る人もいます。面食らいつつも、とにかく生ビールとつぶ焼きを注文しました。握りの一人前が乗るのと同じくらいの下駄に、まるで賽の五の目のように五つの窪みがつけられています。そこに殻のままのつぶが五つ乗って出てきました。それを串で引っ張り出して食べるのです。たっぷりかけられた特製のタレはやや甘く、これなら醤油で食べた方がよいと思いましたが、そんな事より今が旬のつぶ貝をこうして丸焼きにしてひたすら出すこの店の佇まいが全てです。
生ビールとつぶ焼き一皿で計1,450円。私と同じようにこうしてすぐに席を立つ人は珍しくありません。創業53年、じっくり食べさせる店ばかりと思っていた釧路の飲み屋街のど真ん中に、個性の光る一軒がありました。

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本日の先発はちゃりんこです。もう十年も前に一度入ったような気がしますが、詳しい事は殆ど覚えていません。事実上初めてのようなものです。結論を先に言いますと、素晴らしい店でした。カウンターが九席と、広い小上がりに四人掛けの卓がずらりと並びます。
当店の魅力は単純にして明快、文句なしの味ながらとにかく安いのです。そして少量安価で提供しているところが素晴らしい。たとえばソイやサメガレイの刺身は四切れで三百円、鮮度抜群でたいへん美味です。他にも北海しまえび二尾四百円、雲丹五百円など驚くべき安さです。海鮮だけでなく大皿料理も充実していて、席に着くやまずその大皿料理の解説があります。お通しはなく、希望とあらばすぐに提供される大皿料理が七種程ある中から選べるというわけです。素晴らしいやり方に感心し、折角だからと肉じゃがを所望しました。他にもあらゆる料理が揃い、最後に食べた一皿六百円のカニクリームコロッケは絶品でした。

主人と思しき壮年の男性以外は皆若い衆で、全部で五人もが一切の無駄口なしに黙々と動く様も実に良いです。どんなに混んでも提供は滞らず、打てば響く接客も心地好し。教祖がかつて横浜のある店を「スーパー居酒屋」と激賞していました。安易に横文字を使うのは嫌いですが、この時私の頭の中に浮かんだのは「ここはスーパー居酒屋だ」ということでした。
ただし、だからこそ注意が必要な部分もあります。お盆週の頭の連休前の金曜日、この条件は無視出来ませんが、それでも六時を待たずに満席とは驚きました。私より僅か五分程遅れて同じような独酌、予約なしの来客があったのですが、満席御免で断られていました。危ないところでした。その後も予約なしで断られる客が続出です。この店の実力ならばむしろ当然かも知れません。しかも殆どが地元客です。何故そう分かるかというと、多くの人が品書きを見ずに注文していたからです。
これぞ気鋭の実力店。次に釧路に来る機会があったなら、叶うなら先発は必ずこの店にしたいです。

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かなり以前のことになりますが、鳥松と「鳥善」を比べて鳥善の方が上だという結論に達し、以後鳥善に通い続けています。しかし居酒屋の評価というのはその日の偶発的な要素によって左右されることもあります。一度だけで決め付けるのは早計だということです。ならばもう一度試してみよう。このような余裕が持てるのも釧路に連泊という稀な機会の成せる業です。
しかしかつての判断が正しかったことを再確認する結果となってしまいました。美しい黄金色をした鳥善のザンギよりも色が黒いのを見て嫌な予感を持ったのですが、食感も味もその通りのもの。あれと比べると凡庸な唐揚げでしかありません。客層も俗っぽいし、無愛想の極みとも言える接客も感心しません。しかしここはザンギ発祥の店ということで人気があるのです。私に言わせれば、鳥善を知らないとは気の毒です。それを象徴するのが、鳥善はスナックなどの他店からの持ち帰り注文が引きも切らないことです。鳥松ではそのような光景は見ませんでした。人気と実力は必ずしも比例しないものです。蛇足ですが、私としたことが写真を撮るのを忘れてしまいました。

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二軒目へ移行します。実を言いますと、昨日の三軒目にこの万年青を訪ねていました。しかし久し振りの釧路ということで無理に欲張ってしまった結果であり、疲れと眠気と酔いで何を飲み食いしてのかも覚えていない始末です。このままでは失礼なので、今日こうして改めてやって来ました。しかし私は戸惑うことになります。

初めてこの店を訪ねたのはもう二十年も前でしょうか。その美味と雰囲気に酔いしれ、こんな素晴らしい店はない、これぞ釧路の夜と感激したのでした。長いコの字のカウンターは変わっていませんが、当時はそのカウンターの全ての面に接する程に炉が巨大で、周囲には灰が積まれていて、その灰の中に突っ込んで焼く野菜が絶品だったのです。後にその炉がかなり小さくなるという残念な変化がありました。同時に冷蔵庫にべたべたと品書きを貼り付けるようになり、無粋な雰囲気になったことは否めませんでした。そして少しずつではありますが、客層も俗になっていき、その変化の流れを今回も感じることになってしまいました。
その冷蔵庫に貼られた品は創作料理のようなもので、種類はいくつもあるのに食べてみたいと思うものが一つもありません。肝心要のおでんは煮込みが足らず、色も薄いし味もいまひとつでした。以前はこんな事はなかったのですが。後から入って来て近くに座った二人連れは、性別不詳の派手でおかしな髪型をしており、甲高い声を張り上げてグレープフルーツサワーをくれと。
ここで思い出したのが、天文館の近年の残念な変化です。あれに通ずるものを感じました。即ち、昔の名前で通い続けるのも潮時に来ているのではないかということです。実力ある店がしのぎを削る飲み屋街の只中にあるのだから、良い変化もあれば残念な変化もあるのはむしろ当たり前です。思い切って新規開拓に打って出るべき時なのかも知れません。

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初めてこの店の暖簾をくぐった時、決め手となったのは店構え、佇まいでした。ようは外見が良かったら入ったという単純な話です。しかし見掛けだけではなく、静かなる実力店だということを知ったのです。そして久し振りに訪ねたところ嬉しい変化がありました。七時までは生ビールを半額で出しているというのです。大のビール党の私にこれは猫にまたたびです。普段居酒屋では生ビールは一杯だけで早めに酒に移行することが殆どですが、勿論二杯目をいただきました。三杯目も大いに結構というところ、それをせずに酒を所望しました。いただきものの鰯があったから作ったというなめろうを振る舞ってもらったのですが、それがたいへん美味だったからです。
なめろうだけではありません。お通しの三種盛りはじゃがいもといんげんの煮物など優しい味で、こうした女将の手料理を出す店は間違いがありません。折角なのでほっけを焼いてもらったのですが、驚く程に大きくて味も抜群。酒は正一合で一杯五百円。初めに注文した刺身と合わせて全部で四千円台の前半でした。釧路に来たなら是非また訪ねたい名店です。

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二軒目へ移行します。鳥善は十人も入れない小さな店ですが、こちらも十分に空席があり、カウンターの一番奥に陣取ることが出来ました。色々と苦労して盆休みの時期を避けた努力が報われたという点では、最上の展開が続きます。一目で分かる親子二代の店ですが、御子息の方の髪がすっかり白くなっていました。時の流れを感じます。

そしてここは何も変わらぬままでした。こうも美味な鶏肉の料理、こうも美味な揚げ物があるでしょうか。本当に油に沈めて揚げているのだろうか、と思える程にどこまでもからりと揚がり、衣の食感はまさに至高。これも一切のくどさがない鶏肉の旨味が噛むほどに染み出してきます。とにかく美味い。
記憶が間違っていなければ、以前に聞いた話では、この店のザンギは油を200度の高温にして揚げるのだそうです。それでこうも美味くなるのなら、どの店も180度ではなく200度まで上げて揚げればいいではないか。そう思うのは素人考えなのでしょう。多くの店がそれをやらないのは、難しいことがきっと沢山あるのだと思います。ともあれ、またこうしてこの店の宝石のようなザンギを食べられたことを心から嬉しく思います。

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