即時更新でお届けする、日本一周の旅実況中継

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その後国道251号を西へ走り、少々早いですが長崎の市街に入りました。本当は一気に野母崎を目指し、半島を周遊してから長崎の市街に至るつもりでいました。そうすれば夕方の頃合いの時間に長崎の町に着いた筈です。しかしこれを諦めて省略しました。理由は偏に天候です。朝のうちは晴れていたのに、空全体がどんよりと雲に覆われてしまったのですorz

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この季節ですから、何処もかしこも晴れの日でなければ嫌だなどと言っていたら日にちが幾らあっても足りません。そして今のところ明日は終日晴れの予報になってはいるものの、それだってどうなることやら分かりません。しかし野母崎と樺島を訪ねる時だけは晴天は譲れなかったのです。
前回長崎に来て、そして野母崎を訪ねたのは確か四年前だったかと思います。残念なことにその日が一日本降りの雨だったのです。バイクでなくレンタカーでの活動だったので辛さこそなかったものの、空は暗く景色は霞み、折角の風光明媚をまるで楽しめませんでした。だから次回ここに来る時は必ず晴天の下でなければならないとその時思ったのです。

長崎では他にもやりたい事が幾つかあります。しかしたとえば路面電車の一日乗車券を買って乗るなど、何れも朝から一日を費やすべき内容で、この時間からでは何をやっても中途半端になってしまいます。仕方なくこんな時間にもう安宿に投宿しました。しかし長崎の町はただ居るだけで幸せを感じられるところです。荷物を整理して一息入れたら近辺を散歩するのも良さそうです。

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かように曇天により野母崎行きを諦めざるを得なかったのは残念ではありますが、暗く落ち込んでいるわけではありません。むしろ心中は華やぎ、浮き立っています。何となれば長崎は函館と並んで全国でも最も好きなところ、その魅力を語り出せばきりがない程に好きなのです。それはもう近所を散歩して、今長崎にいるということを実感するだけで幸せに心が震える程です。
長崎は他の何処にもない無二の魅力で溢れています。この旅でも遂に長崎にやって来られたと思うとたいへんに感慨深く、そして大いに楽しむつもりでいます。むろん十分に日数を取って連泊する予定でいます。長崎ならいつまででも居られるので適当なところで切り上げないと収拾がつかなくなってしまうのですが、まあそれはそれとして…

長崎の魅力を語り出せばきりがないと言いましたが、一つだけ。長崎の町を訪ねるにあたって、自分の中に一つ約束事があります。それは、バイクか車で長崎の町を目指す際は、国道34号経由で東から入らなければならないということです。何もない山の中の田舎道を走って行って、トンネル一つ抜けた瞬間に突如目の前に煌びやかな都会が現れるのです。それも、山の斜面の上の方まで張り付くように住宅が建ち並び、坂道を路面電車が登って来るという他では見られない絶景です。
これまでに他の経路で長崎入りしたこともありますし、鉄道で長崎に来たことも何度かあります。しかしどれも国道34号経由のこの劇的な展開には遠く及びません。これこそが長崎らしさの象徴であり、旅情が最高に盛り上がるのです。

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久し振りの長崎となれば、先発は「安楽子」しか考えられません。そう思って真っすぐ向かったのですが、満席で門前払いとなりましたorz
出鼻を挫かれるとはまさにこれですが、入れないものはどうしようもありません。しかしここで簡単に崩れないのが長崎の夜の充実ぶりです。思案橋横丁の煌びやかなネオンの中を進み、そこから人しか通れない枝路地に潜り込んで、こいその暖簾をくぐりました。代替という言葉をあてるには失礼な名店です。

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大阪でしっかりした修行をされた主人の手による料理はその全てが絶品、何を食べても美味い店の典型です。カウンターの上、端から端まで隙間なく並べられた大皿料理はまさに壮観。その数24皿にもなります。本当に美味い料理は見た目からして違うと言いますが、この24もの皿全てがいかにも美味そうです。

しかしまずは刺盛りです。鯨やローストビーフも乗るところがこの店ならではです。すり身揚げは自家製でこれも絶品。大皿料理から何を選んだものか本当に迷います。カウンター八席のうち四席が予約済みでさらに先客が三人。ここでも最後の一席に辛うじて滑り込みました。小上がり含め満席となり、この混雑ぶりが少々気になるところですが、店の価値が何を変わらず健在だったことが何よりです。長崎滞在のうちにあと一回来る可能性があることを告げて出ました。

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二軒目へ移行します。長崎の二軒目といえばおでんです。「桃若」かはくしかか。今日は迷わずはくしかにやって来ました。これにはある理由があります。
桃若を訪ねたことが過去に二度か三度あったでしょうか。このはくしかは過去に一度です。桃若がいつも比較的空いていてすんなり座れたのに対して、前回はくしかを訪ねた時たいへんな盛況で、片付けを待って僅かな空席に何とか滑り込んだのです。その時限りの偶然である可能性も高いですが、ともかく今回まずははくしかをおさえておこうと思ったのです。

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こちらも狭い枝路地に建つ風情が良いです。店構えも店内の佇まいも文句なし。焦げ茶色のカウンターに椅子、そこに茜色の座布団を敷く色使いが実に上品です。コの字のカウンターに囲われて大きな舟があり、その周りを固めるようにカウンターの上に幾つかの大皿が並びます。これぞおでん屋。

この店はビールがたいへん美味です。一番搾りプレミアムという銘柄を使っていて、これは樽生で飲食店にしか出されず市販されていないものです。これが専用のタンブラーに注がれます。口の下が膨らんでいてその下が細くくびれていて、女性の体を思わせる優美な曲線を描いています。注ぎ方も完璧で文句なし。
薄味で上品ながらしっかりと味のある出汁は絶品、ネタもどれも美味ですが、特に印象的なのは豆腐です。葱と鰹節があしらわれ、然る後に上から出汁がかけられるのです。まさに晩酌のあての先発に理想的、おでんというと二軒目や三軒目の印象が強いですが、許されることならここで生ビール一杯ないし二杯とこの豆腐一つだけいただいて出たい。そんなことを思ったのですが、ともあれ次に来る時は先発で暖簾をくぐることに決めました。

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おはようございます。大好きな長崎の町で朝を迎える幸せな一日の始まりです。今のところ予報に違わず空には雲一つありません。ただし残念ながら好天は今日までで、明日から暫く雨模様が予想されています。この貴重な青空を活かすべく、予告の通り今日は半島の南端、野母崎や樺島を目指します。長崎の地名の由来は諸説ありますが、地図で見れば一目瞭然ですがこれぞ文字通りの長い崎です。

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長崎のゲストハウスの朝食が少々変わっています。食パンと珈琲類のみが提供されるのですが、枚数制限がなく何枚でも食べていいのです。若いチャリダーが来て一度に十枚食べることはないのだろうか、などと下らないことを考えつつとりあえず二枚をトースターに入れました。ここまではいいのですが、ここから先問題があります。ジャム類だけが置かれていて、何故だかバターないしマーガリンが無いのです。
実はこれについて、昨日宿の人に理由を聞いていました。これに対して、主人が乳製品が食べられないからだという答えが返ってきたのです。そのような理由で客にも出さないようなやり方、大好きです(笑)

大好きなのですが、私のように甘いものが大の苦手な人間にとっては現実的に問題があります。とはいっても何もつけずに食べるのも味気がなさ過ぎます。とりあえずマーマレードを付けて食べてみました。生活クラブ生協のマーマレードのように本当に美味いものならまだしも、気持ち悪くて吐きそうになりました。そもそも砂糖が添加されている時点でマーマレード自体の質を語る次元ではありません。
しかし提供される食パンをみすみす放棄するのもそれはそれでばかばかしいです。明日の朝これをどのように食べるべきか考える必要があります。

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半島の東海岸、海際の絶景の中県道34号を南下しています。しかしここに至る前から興奮の連続でした。浜町から思案橋を通り、国道324号で長崎市街を抜けたのですが、まずは路面電車と一緒に坂を登ります。国内に路面電車の走る町は沢山ありますが、坂道はごく僅かで、特に賑やかな市街地の坂道を路面電車が登る姿が見られるのは長崎だけです。それと一緒に走っていけるのですから至福のひとときです。

線路が尽きてからも興奮は続きます。今度はバスが主役になります。急坂の一本道、おまけに右へ左へ曲がりくねって直線の区間などありません。バスが停留所で止まっても追い越せる筈もなく、後続の車は皆従順に発車するのを待ちます。その独特の呼吸が最高です。見上げれば山の上まで住宅が張り付くように建ち並んでいます。あの辺りに住む人達の生活をまさにこのバスが支えているのでしょう。それでもバス停までも急坂を上り下りする必要がありそうです。
山の中の一本道でありながらそこに住宅も交通も密集している、長崎ならではの風景です。そしてそんな市街地があるところで呆気なく、潔いくらい唐突に途切れます。気付けば周りに住宅もバスの姿もなくなり、どこにでもある山の中なのです。これも長崎でしか体験出来ない劇的な展開です。
この区間はバスに乗車するのもたいへん面白いです。その際には是非とも最前の席をおさえたいところです。運転手の華麗なハンドルさばきと1速発進の様子を堪能出来ます。

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樺島まで来ました。岬の突端、灯台脇の公園からの眺めがまさしく絶景です。周囲の大海原をぐるりと一望します。特に良いのは、野母崎の細くくびれた箇所の向こうに軍艦島が見えることです。前回来た時は強い雨に遠景が霞み、こんなに景色が良いことが分かりませんでした。四年越しの借りを返せました。

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野母崎は権現山の山頂の展望台に来ました。樺島の上をいく絶景です。来し方の複雑な海岸線を眼下に一望し、軍艦島の姿も目の前です。長崎の市街も遠望し、造船所のクレーンや斜張橋の姿が見えます。遠景がやや霞んでいるので、写真でどこまで伝わるかは分かりませんが。天気は引き続き見事な秋晴れ、昨日の午後中途半端をせず敢えて見送ったのはやはり正解でした。

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国道499号で西海岸を北へ戻っていきます。端島との距離が一番近い辺りまで来ました。物々しいその姿はまさに軍艦島の異名そのものです。穏やかで美しい海との対比が印象的です。

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