即時更新でお届けする、日本一周の旅実況中継

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この日本一周での総走行距離は56,198kmでした。そしてカブは通算で約65,000kmを走っています。これだけの距離を走りながら故障も不具合も一度もないのだから、やはりスーパーカブは偉大な乗り物だと思います。中でもエンジンは新車の頃と何も変わらず、始動性、音、振動、体感的な吹け上がりや力感、燃費に至るまで一切衰えていません。新車に乗せ換えて売ったとしても、気付く人はいないでしょう。このあたりは流石は本田技研です。

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しかし最も特筆すべきは、一度もパンクをしていないことです。これについて一番大きな要因は、やはり運でしょう。時速数十kmという速度で走りながら道路に落ちている金属片などの異物を咄嗟に発見してよけるなど不可能です。パンクをしないで旅を終えられたのは運が良かったということです。
ただし、前回の日本一周でも29,000kmを走りながらパンクは一回もありませんでした。累計で7万km弱。これだけ走ってパンクが一度もないのですから、流石に幸運だけでは説明がつきません。パンクをしないように日々注意している事はありました。僭越ながらそれらを紹介したいと思います。

まず第一に、路肩を絶対に走らないことです。路肩を走ることはそもそも違反です。が、ここでそんな戯言を言うつもりはありません。パトカーですら法定速度を守らない我が国の道交法など所詮は形骸です。そうではなくて、パンクをしないために最も有効な手段が路肩を走らないことなのです。
流れの速い幹線道路、後ろから大型車が迫って来る。こんな場面で原付ならば路肩を走りたくなるのは人情です。しかし、あの白線を一本跨いだだけで路面に落ちている物がいかに増えるか、この事を認識すべきです。そしてその中には金属片、割れた硝子、ネジなど、パンクの直接の原因となるものが沢山あります。一度幹線道路の道端にバイクを停めて、白線の内側と路肩部分の路面の様子を観察することをお勧めします。そうすれば二度と路肩など走るまいと思う筈です。
次に、タイヤの空気圧を頻繁に確認することです。旅中は荷物満載に合わせて後輪の空気圧を2.8にしていました。この状態で荷物を降ろして空荷で走ると、飛び跳ねて酷い乗り心地です。これを標準値の2.0にすると乗り味が激変します。繰り返しますが、タイヤの空気圧をたかが0.8変えただけでバイクの挙動は激変するのです。空気圧の下がったままのタイヤで走るなど論外だということがお分かりいただけるかと思います。むろんパンクをおこし易くなります。
最後に、タイヤをよく点検することです。点検といっても難しいことは何もありません。ただよく見ればいいのです。朝走り出す前に、タイヤに傷がないか、異物が刺さっていないか見る。それだけです。パンクといっても一気に空気が全部抜けてしまう症状だけとは限りません。少しずつ抜けていく場合もあります。異常の早期発見はとても大事なのです。

路肩を走らない、空気圧をこまめに点検する、一日一回タイヤをよく見る。どれもごく簡単な、労力にもならないような事ばかりです。これでパンクしてしまった時のあの絶望感、面倒、出費から逃れられるなら安いものではないでしょうか。

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今日はレッドバロンでタイヤの空気圧を調整してもらいました。越冬生活中も世話になった福岡箱崎店です。これまでは荷物満載に合わせて前1.9、後は2.8という高めの数値にしていました。昨日の記事でも述べましたが、このままで空荷で走ると酷い乗り心地です。そこで標準値に下げてもらいました。厳密に言うと、標準値は前1.75、後2.0なのですが、僅かに高めの前1.8、後2.1にしてもらいました。この先カブに乗る時は何かを運ぶ時だからです。
この作業は、カブが長旅の大役を終えて余生に入ったことの象徴にも思えます。寂しい思いが募ります。

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福岡暮らしが始まって一週間が経ちましたが、連日奇跡的な好天続きです。夜半に少し雨が降った形跡があった、という日が一日だけありましたが、まだ一度も雨を見ていません。今日も一日晴れ、明日以降も今のところの予報ではずっと晴れとなっています。もし日本一周の道中でこんな天気だったなら、狂喜して日々この事で大騒ぎしていたでしょう。あれだけ長雨に苦しめられた旅が終わった途端にこれですから、つくづく天気というのは皮肉なものです。

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旅を終え、福岡に住み始めて十日が経ちました。今は家というものを満喫しています。風雨の心配もなく、こうも広い空間を不在時も含め恒常的に占有出来て、ある部分では社会性からも解放される(たとえば、全裸でいても問題がない)。こんなにも快適で、安楽で、便利で、自由であっていいものか。それをしみじみと感じ、ありがたさが心に染み入ります。多くの人にとってごく当たり前の事かも知れませんが、それがない日々を二年以上続けてきたものだから、今の私にとってこの快適さは画期的にすら感じられます。
そしてこの感覚を忘れないようにしたいと思います。当たり前だと思ってしまったら感謝がなくなる。そしてそこから脱することが出来なくなる。一体どれくらい先の事になるのか、本当に叶えられるのか分かりませんが、次なる人生の目標は積年の夢である軽バン車中泊での旅です。それを実現するためにも、です。

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衝撃の知らせが飛び込んできました。宇高航路を唯一守り続けてきた最後の一社、四国フェリーが撤退し、運航を取り止めるというのです。日本一周の最終盤、僅かひと月前に乗ったばかりであり、その情景をありありと覚えているだけに尚更驚きを禁じ得ません。そしてその時に生活航路、渡し船としての矜持が失われていないと称えたばかりだというのに…

近年、このような事が後を絶ちません。鉄道の赤字閑散路線も同様です。たとえばそれを廃止する時、鉄道会社は単独での維持が困難という表現を使います。公共交通とは「そもそもそういうものではない」のですが。こういうところにこそ税金が投入されるべきなのに、現状では望むべくもありません。これが国が貧しくなるということなのでしょう。先島諸島など、あれだけの面積と人口を有していながら、船でしか行けないというなら分かるのですが、逆に飛行機でしか行けないというのはどこか不自然さ、不健全さを感じずにはいられません。宇高航路など宇野、高松の両港ともに鉄道駅から徒歩での乗り継ぎが出来るだけに、より不自然さが際立ちます。

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そしてこれによって、原付バイクと自転車は最短経路で四国の玄関口である高松に渡ることが出来なくなります。また少数の者として切り捨てられるのです。無念でなりません。伊勢湾航路も淡路島航路も、一度は同じような状況に追い込まれながらも結局は復活した経緯があります。こちらもそうなると祈ることしか今は出来ないのが、もどかしくて仕方ありません。

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雨の日に宿に逃げ込む場面も多くありましたが、特にビジネスホテルに泊まる時などはバイクを屋根の下に停められるかどうか事前によく確認していました。高額な宿代を奢るからにはそれがないと片手落ちだし、似たような条件の複数の宿から選ぶ際には決め手となるからです。
全国で泊まり歩いた宿の中から、バイクを屋根の下に停められるところを紹介していきます。北から順に、まずは北海道編をお届けします。尚、料金などの諸条件は宿泊当時のものです。最新の状況については確認をお願いします。

●比布ブンブンハウス(比布町、ライダーハウス)

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一泊300円のライダーハウスです。地域の方が毎日欠かさず掃除をしてくれる館内はたいへん清潔。そして大きな屋根付きの駐輪場があり、十台以上をここに停めることが出来ます。たいへん素晴らしい施設であり、道内の数あるライダーハウスの中でも特に人気があるところです。繁忙期の雨の日には早めに到着した方がよいでしょう。

●みつばちハウス留萌(留萌市、ライダーハウス)

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民営ながら無料で泊れるという、北海道ならではのたいへん有り難いライダーハウスです。バイクは完全屋内、談話室と隣接する部分に停められるという最高の条件です。原則として前日までの予約が必須、他にもいくつかの注意点がありますが、事前によく読んで管理の方に負担をかけないように利用しましょう。

●さろまにあん(佐呂間町、とほ宿)

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長閑なサロマ湖岸にある宿です。ゲストハウスを名乗ってはいますが、一般的にその名から想像される雰囲気とはかけ離れているので、敢えてここではとほ宿と称しました。ご夫婦で営まれているたいへん清潔な、そして家庭的な宿です。バイクはこのように玄関前の屋根の下に停められます。


●民宿ランプ(網走市、民宿、ライダーハウス)

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民宿とライダーハウスを兼業しています。私が泊まったのは個室の民宿の方ですが、それでも一泊2,800円と格安でした。建物は古くくたびれており、値段相応です。雨の日の緊急避難先と考えておいた方がいいでしょう。バイクは玄関前にこのように停められますが、台数に限りがあります。繁忙期の雨の日に遅く着くと屋根下からあぶれる恐れもあります。

●ビジネスホテルさとう(中標津町、ビジネスホテル)

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良くも悪くも特徴のない、ビジネスホテルらしいビジネスホテルでした。中標津町のど真ん中の便利な場所にあります。しっかりした屋根があるわけではなく、ちょっとした軒先に停めさせてくれたに過ぎません。が、これがあるのと無いのとでは大違いです。雨は避けることが出来ました。盆休みの最中に泊まったのですが五千円を切る価格も良心的でした。

●プルーフポイント(釧路市、ゲストハウス)

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釧路の市街地の便利な場所にあります。ゲストハウスらしいゲストハウスです。バイクは数十メートル離れた別棟ではありますが、シャッター付きのガレージに停められるので万全です。

●ホテルラッソ(釧路市、ビジネスホテル)

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釧路の飲み屋街の只中という、たいへん便利な場所にあるビジネスホテルです。屋根の下に停められる台数には限りがあり、ここも混雑期の遅い時間に着くとあぶれる可能性もあります。一昔前より料金が上がってしまいましたが、ここの朝食は絶品です。釧路で奮発するのならここと薦められます。

●ライダーハウス日ノ出(岩見沢市、ライダーハウス)

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岩見沢の国道12号沿い、周辺には色々な店が揃っていて便利な場所にあるライダーハウスです。バイクも完全に屋根の下へ。隣接する大型の銭湯の入浴料込みで一泊1,100円という破格です。ただし予約は取らず先着四名という狭さが唯一の難点です。雨の日などは電話で確認してから向かった方がいいでしょう。

●ライダーハウスねこじゃらし(札幌市、ライダーハウス)

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札幌の市街地の便利な場所にあるライダーハウスです。バイクはシャッター付きのガレージの中という、最高の条件で停められます。これで一泊1,500円とはありがたい限りです。ただし部屋は広くなく、泊まれるのは七人が上限です。予定が決まっているなら早めに予約した方がよいでしょう。

●ライダーハウス小樽(小樽市、ライダーハウス)

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小樽の市街地、小樽駅も至近という、こちらも非常に便利な場所にある一泊1,500円のライダーハウスです。バイクは屋内ガレージへ。夜はシャッターが閉まる最高の条件です。この宿は毎夜賑やかな宴会が行われています。合う人と合わない人が分かれそうな雰囲気ではあります。

●スマイルホテル小樽別館(小樽市、ビジネスホテルのドミトリー室)

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こちらもライダーハウス小樽と互角の立地、小樽駅至近のたいへん便利な場所にあります。ドミトリーとはいってもカーテンで完全に仕切られた一段ベッドで、殆ど個室のようなものです。ここに一泊1,500円で泊まれてしまうとは驚きの安さです。バイクはビルの一階の、ガソリンスタンドの居抜きの大きな屋根の下へ。すぐ近くにあって料金も同額なのでどうしてもライダーハウス小樽と比較してしまいますが、条件だけで言うならこちらの圧勝です。

●ライムライト(函館市、ライダーハウス)

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西部地区と呼ばれる情緒ある函館の旧市街にあるライダーハウスです。ここの特徴は一階がガレージ兼寝床になっていることです。自分のベッドの目の前にバイクを停めることが出来ます。これを超える条件は考えられません。ただしこの屋内駐輪は一泊につき500円の追加料金がかかります。宿の外にも停めることが出来ます。

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北海道編に続いて次は東北編です。料金などの諸条件は宿泊当時のものです。最新の状況については確認をお願いします。

●あおもり健康ランド(青森県青森市、健康ランド)

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青森市街の国道のバイパス沿いという便利な場所にあります。バイクはこのように入口の目の前の屋根の下に停められます。入館料に深夜料金を足して1,800円というのは健康ランドとしては一般的と思いますが、この施設の特徴はもう1,500円足すと鍵付きの個室で寝られることです。

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この個室はたいへん快適でした。大部屋の仮眠室の混雑状況によってお好み次第といったところでしょうか。

●ホテルサンルート八戸(青森県八戸市、ビジネスホテル)

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八戸の市街地のど真ん中にあるビジネスホテルです。バイクは歩いて三分程離れた立体駐車場に停めなければなりませんが、風雨への備えは万全です。宿泊料も安く、利用価値はあると言えます。

●ロイヤルホテル大館(秋田県大館市、ビジネスホテル)

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大館駅のすぐ近くにあるビジネスホテルです。古びていて手狭で、五千円台の後半は高いと感じましたが、大浴場は良かったです。バイクは屋根の下に停められるのですが、その屋根が高過ぎて少しの風でも雨が吹き込んでしまいます。屋根がないよりはましという程度に考えた方がいいでしょう。

●ホテル小田島(岩手県盛岡市、ビジネスホテル)

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盛岡市街の中心部にあるビジネスホテルです。バイクはこのように入口前の通路に停められます。建物はやや古いですが中はきれいに改装されていて、ベッドも良い物が使われていて寝心地も良く、朝食も美味い。そして料金も良心的。バイクでなくてもまた訪ねたい、盛岡の定宿にしたい素晴らしいホテルです。

●盛岡ニューシティホテル(岩手県盛岡市、ビジネスホテル)

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盛岡駅近くにあるビジネスホテルです。この日はホテル小田島が満室で泊まれなかったので代わりにこちらに泊まりました。バイクは屋根下の奥まったところ、ほぼ完全屋内と言っていい状態で停められます。

●ライダーハウスばるかん(岩手県奥州市、ライダーハウス)

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前沢にある一泊千円のライダーハウスです。バイクは軒先に大きく張り出した屋根の下に停められます。台風の時に逃げ込んだのでたいへん助かりました。その他の点も素晴らしいライハです。

●酒田グリーンホテル(山形県酒田市、ビジネスホテル)

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山居倉庫の目の前という立地が印象的なビジネスホテルです。バイクはこのように一階駐車場の端の方に停めます。風の強い日は風向きが悪いと少し濡れそうですが、それでも青空駐輪とは天地の差です。

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アイドルグループの話題ではありません(笑)。私自身がバイク旅から卒業するという話です。
私はこの先の人生で、原付バイクで長旅をすることはもうありません。万が一あるとすれば原付の利が最大限に活かされる、原付こそが最良の足である沖縄への旅ですが、その場合も泊まるのは宿のみ。キャンプ道具や調理器具など大荷物を積んでのバイク旅は二度とないです。日本一周の旅の末にこのような心境に辿り着いたわけではありません。出発前から見えていたことです。そして実際に二年半、5万6千kmの長旅を経て、この思いは全く変わりませんでした。

大前提として、私はバイク旅には向いていません。何を言っているのか意味が分からない、今さらに過ぎて返答のしようもない。こんな風に思われる方もいらっしゃるでしょうか。これは冗談でも何でもなく、本気も本気です。
当たり前ですが、バイクが嫌いなわけではありません。好きでなかったらこんなに乗れるわけがない。色々な条件が揃えば、という但しは付くものの、オートバイでの走行は非常に楽しく気持ちがいいものです。気分爽快とはこれを言うためにある言葉でしょう。しかし、世の中にはオートバイという乗り物に心奪われ、愛してやまない生粋のライダーというやつがいます。夏の北海道など行くと特に、こうした人達と自分との温度差を実感します。私は旅の手段の一つとしてバイクに乗っているに過ぎないのです。
その何よりの証拠が、日本一周の出発前や福岡での半年間の越冬中、カブを殆ど動かさなかったという事実です。ひと月に一回くらい、調子を維持するために乗らなくては、という義務感から買い物ついでに数kmを走るだけでした。天気の良い週末にバイクで景色の良いところに出掛けようとか、そういう発想が全くないのです。そんな面倒なことはしたくありません。

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今夏北海道でこんな事がありました。カブで7km程走ってライダーハウスから最寄りの銭湯まで風呂に入りに行きました。往路は雨が降っていなかったのに、風呂から出て帰ろうとすると大粒の強い雨が降っているではありませんか。心の底からうんざりする、気が滅入るというのはこういう時のことを言うのだと思ったのです。きっとオートバイを愛する生粋のライダーだったら、こういった出来事も笑い話に出来るのでしょう。しかし私には到底無理です。その時私の心は、車の人が羨ましい、バイク旅は嫌だという気持ちで占められていました。

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では何故そんな辛い思いをしてまでバイクでの旅を続けたのか、と思われるかも知れません。それは、日本一周の足としてスーパーカブが模範的な回答だったからです。特に数多くの離島に足を運ぼうとするなら、原付バイクしか考えられませんでした。たとえば鹿児島から那覇へ渡る際、原付バイクなら航送料金は五千円台ですが、これが車になると軽自動車であってもその十倍以上もの金額がかかります。博多港と対馬の厳原港を結ぶ航路で比べても、原付が3,140円なのに対して軽自動車は18,910円と、六倍近い開きがあります。
だからこそいくつかの選択肢の中から原付バイクを選んだのであって、これは旅の期間を一年延ばしてまでも離島巡りに執着した理由でもありました。

旅に我慢はつきもの。旅というのは本質的に多かれ少なかれ我慢をするものです。これはトイレやシャワーまで備えた大型キャンピングカーの旅であっても、グリーン車で移動してホテルに泊まり歩く旅でも変わりません。あるのは程度の差だけです。帰宅すれば冷蔵庫に自分の好きな銘柄のビールが冷えていて、お気に入りの番組が録画されていて、指定した時間にネットで買った品物が届き、自分に最適の寝具で眠りにつく…そんな何不自由ない「家」とは根本的に違うのです。

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ではそんな不自由をどこまで我慢出来るか、これがどういう旅を可能にするかの鍵となります。毎日個室の宿に泊まらないなんてとても無理だという人もいるだろうし、テントなしの寝袋のみで風呂にも入らず何日でも平気で野宿出来る人もいるでしょう。私にとって原付バイクの旅は我慢が出来るぎりぎりの線でした。毎日風呂に入るかシャワーを浴びなければ絶対に生きていけないし、毎晩冷えたビールが飲めないのであれば端から長旅など諦めます。
以前旅先で会った人からこんなことを言われたことがあります。原付で日本一周出来るのだから自転車でも行けるんじゃないですかと。私は即答しました。自分には絶対に不可能ですと。毎日風呂に行くのが大変過ぎるからです。

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そんなぎりぎりの線で旅をしていたから、たとえば風呂帰りに雨に降られた時に、心底うんざりして絶望的な気分にすらなったのです。しかし、時にそんなぎりぎりの我慢をし、時に原付の利を大いに楽しみながら、どうにかこの日本一周を完遂することが出来ました。そして数多くの離島を次々と訪ねるという、原付バイクでの日本一周の核とも言える部分も満喫出来ました。貨物船に預けて海を渡し、さらにフェリーに乗り継いで愛車と共に波照間島や与那国島を訪ねるなど、自動車ではまず出来ないことです。
多くの離島を安価に訪ねる代わりに自分にとってぎりぎりの我慢をする場面も少なくない旅は、ここに終わりました。もういい歳です、この先は体力的にも我慢出来る線はより低くなっていくでしょう。積年の夢である、軽自動車のバンで車中泊をしながらの長旅に襷を繋ぎます。

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