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倭か琉球か、などと少々な乱暴な論でもありました。いや乱暴というよりは、片手落ちな物言いだったと言えます。厳密には「倭と琉球のどちらに近いか」です。この事がずっと気になっているわけですが、一方で言うまでもなく奄美は奄美でしかなく、倭でも琉球でもないわけです。その象徴が黒糖焼酎です。

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黒糖焼酎の大きな特徴は、島外不出の趣があることです。法律の下に奄美群島でしか製造が許されていないという事情もありますが、勿論奄美以外でも黒糖焼酎を買える酒屋、飲める居酒屋はあります。しかしたとえば芋焼酎のように全国で広く飲まれているわけではありません。これらの店を見かけることは東京であっても稀なのです。まして奄美以外でスーパーの店頭などに黒糖焼酎が置かれていることはほぼなく、鹿児島であってもそうなのです。事実上の島外不出と言っていいでしょう。

しかしこれは非常に勿体ないことです。黒糖焼酎こそはまさに芳醇、黒糖が原料と聞いて甘い味わいを思い浮かべる方が殆どでしょうが、確かに先香りは甘味があるものの、飲み口はむしろ辛口です。乱暴な例えですが、ウィスキーに似ています。香りの甘味も極めて上品で、引き締まった大人びた味わいは芋焼酎や泡盛とも一線を画します。
しかし、こんな極上の酒でありながら島外不出であるからこそ贅沢であり、旅先で飲む旅情を大いに盛り上げてくれるとも言えます。東京でも黒糖焼酎を飲める店が稀にあると言いましたが、そういう店は大概が色々と蘊蓄を聞かされ、値段も高い。ごく庶民的な価格で選ぶのに困るくらい色々な銘柄が用意されている黒糖焼酎を目の前にしたその時こそが奄美へ来ている旅の実感が強く湧く時であり、旅先で居酒屋を訪ねる喜びの神髄でもあるのです。

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