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居酒屋探訪記も遂に記念すべき百件目を迎えましたが、特別な感慨は何もありません。何故かというとまず、この旅で訪ねたこれが百軒目の居酒屋というわけではないからです。何度も繰り返し行っている店や、探訪記をわざわざ書く気になれないような益体もない店は必ずしも登場していないのです。百件目にして百軒目ではないということですね。そう考えるとこの旅においてほぼ三日に一度くらいの割合で居酒屋で飲んでいる計算になり、自分ではとてもそんな気はしないのですが、とにかく凄い頻度です。

感慨が湧かないもう一つの理由として、今回この記事だけの特別な事情があります。実はこの店を訪ねたのは久米島へ行く前の晩、即ち五日前の事になります。とても書く時間がなかったので、原則を曲げてこうして日を置いてからの報告になってしまいました。

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この日は新規開拓をするよりも馴染みの店で飲みたい気分でした。そこで豆腐の美味い「じぇいや」を訪ねたのですが、何と従業員研修のため臨時休業になっていました。宿のすぐ近くの「花咲」も定休日。図らずも新規開拓せざるを得ない状況になってしまいました。
しかしそれはそれで悪くありません。また久茂地二丁目をゆっくりと歩き、暖簾をくぐったのがこの店です。この店に決めたのには三つの理由がありました。まず以前より店構えから感じるものがあったこと。次に、店先に掲げられた文言から創業33年の老舗だと分かったこと。入れ替わりが激しいこの界隈でこれは信用するに十分です。最後の理由が、入口の戸が開け放たれていて店内の様子が往来から見えたのですが、入口近くに生ビールのサーバーが置かれていました。そこで女将がとても丁寧にビールを注いでいるのが見えたからです。

石垣島の酒と料理を出す店でした。生ビールを注いでいた女将は背筋が真っ直ぐ伸びていて、使い込まれてちびた柳刃包丁を振るう姿も颯爽と決まっていて、下駄の音を響かせて歩きます。こんなに格好いい女将はなかなかいません。
お通しはジーマミー豆腐で、今回これまでに食べたジーマミー豆腐の中で最も美味でした。刺盛りに続いて注文したのは品書きを一目見て気になった、三枚肉とアダンの煮付けです。アダンとはパイナップルにも似た見た目の、いかにも南国を思わせる植物です。アダンの実は固くてアクがあり、下処理や調理が難しいと言われています。しかしこの店のアダンの煮付けは食感、味わいともに絶妙でした。
店内は間口は狭いけれど奥に長く、十分な席数のカウンターがあって一人でも入り易いです。そして健全な居酒屋価格です。こう書くと欠点のない名店のようですが、唯一にして致命的な弱点がありました。刺身がいま一つなのです。まさかとは思いますが、石垣島から持って来るなどという事があるのでしょうか。それは不明ながら、とにかく刺身が美味くないのでは画竜点睛を欠きます。たまたま運が悪かったのか、それともいつもこの質なのか。刺身の味以外の全ての点について満足しただけに、気になるところです。

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