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居酒屋を訪ねるにあたって、店の周辺環境というのは特に重視していません。居酒屋で大事なのは一に酒、二に肴、三に店内の雰囲気や客あしらいであって、また居酒屋というのは原則として閉ざされた屋内であり、店外の様子も含めて味わうというところは殆どありません。

しかし稀に店の立地や、そこに至るまでの風情も含めて楽しめる店もあります。たとえば松本の「しづか」です。松本城の堀端にあるここは夜になると周りは暗く物音もなく、そこに忽然と老舗の大店が現れるのです。大店とはいってもその佇まいはあくまで品が良く物静かで、信州の旅の風情をしみじみと噛み締めることが出来ます。
この反対の方向性で面白い店もあります。池袋の「千登利」です。大鍋で長年作り続けられる絶品の煮込み豆腐はまさに老舗の仕事、それをあてに白木のカウンターで酒を酌むのは極上のひとときです。入口も紺色の暖簾がかかり実に上品。ところがこの店、猥雑の極みと言える池袋西口の只中にあり、毒々しい色合いの安酒場や風俗店の看板、ネオンの洪水の中に埋もれるようにして在るのです。客層の良さも含め、これぞ掃き溜めに鶴。この違和感の妙も含めて味わうのです。

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久し振りに周辺の風情も含めて味わいがあり、それが店の存在を際立たせている居酒屋と出会いました。本家藤よしです。場所は筥崎宮のすぐ近く。筑前国一宮であるこのお宮の参道は実に品が良く、凛とした空気が漂います。その参道と直交して真っ直ぐ伸びる唐津街道にこの店は建つのですが、この道も古く独特の風情に素晴らしいものがあります。

てかてかと光る大判の品書きや棚に多数の小物が飾られるなど、無粋なところも散見します。しかし古く丁寧に使い込まれた店内はやはり威厳を感じさせます。焼き鳥の店ですが、本日のおすすめを記した別紙には魚介の名も並んでいました。きっと魚も美味なのだろうと思い鯖の刺身を所望すると、果たしてこれが絶品でした。ネタの鮮度だけでなく、適切な飾り包丁や胡麻を少量あしらうなど仕事も万全。つまの茗荷にも良いものが使われていて、最高の箸休めです。
そして真打ちの焼き鳥へ。レバーが一本200円、タンや軟骨は一本400円と決して安くはありません。しかしタン、レバーは大ぶりで柔らかく適度な汁気があって、素晴らしい美味でした。一方で皮やつくねはそこまでのものではなく、値段を考えると物足りなく思えます。ネタによってばらつきがあるのです。全体的に感動して褒め称える程ではないものの、様々な要素を含めて考えれば名店と言っていいでしょう。筥崎宮の参道の屋台から始まって創業69年、地元の人に愛され続けているのも納得がいきます。

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