
福岡に住んで早二ヶ月半が経ちました。郷里から遠く離れた縁のない土地にこうも長く留まるのは、那覇に続いて二つ目のことです。そして那覇との大きな違いは、自身が強い思い入れを持っていることです。ここで湧いてくるのが、こちらの言葉を習得したいという思いです。
幸い私にとって、福岡の言葉は習得が平易な部類に入ります。何故なら、私の母語である関東南部の言葉と子音の発音も母音の発音も同じだし、抑揚やアクセントの位置も同じ。音韻の面で言うなら違いがないからです。
(※厳密には同じではないのですが、一般的に耳で聞いて感じ取れる違いはないと言って差し支えないでしょう)
極端な例ですが、津軽弁のように母音の数も多く発音も違うとなれば、もはや異言語です。これを喋るためには生まれてから一度も使ったことのない筋肉を使う必要があり、習得は困難を極めます。京都や大阪の言葉のように自分の母語とアクセントの位置が違うだけでも、完全に習得するまでは長い道のりです。これに対して福岡の言葉は、大雑把に言うなら「言い回し」さえ身に付ければいいのです。
「~ばい」「~たい」「~けん」「~しよる」「あってる」「~しとう」「~と」などの特徴的な言い回しは誰もが一度くらいは聞いたことがあるでしょう。
「この指示書、昨日も見よったっちゃけど、何が書いてあるか分からんけん、結局どうすればいいと?」
アルバイト先では周囲に沢山の地元の人がいて、日々このような会話が飛び交っています。私は常にそれを注意深く聞いています。しかし聞くだけでなかなか習得出来るものではありません。実践、即ち自分で喋らなければ。しかし、こちらが埼玉の出身だと知っている相手に対して、拙い筑前方言で話すのは不自然極まりなく、恥ずかしくてそんなことは出来ません。しかしそうなると実践の機会は殆どありません。何かの拍子に見ず知らずの人と二言、三言話す時くらいでしょうか。これが目下の懸案です。

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