
函館の居酒屋も二年振りです。こうなると手堅くいきたいところで、先発は「函館山」と思っていました。しかし是非にと薦められた店があったのでそちらにしました。それがここです。電車通りに面していて、函館駅前と松風町、両電停のちょうど真ん中辺り。立地が良過ぎる上に、盛況のようで賑やかな声が漏れてきます。こうなると懐疑的になってしまうのですが、いざ入ってみるとそれがつまらぬ勘繰りだったと思い知ることになります。
五百円のお通しと称して豪華な刺盛りが出てきて度肝を抜かれました。分量はたっぷりで、鮮度抜群で文句なしの美味。千五百円と言われても十分に納得の内容だというのに、こんな店は初めてです。生ビールはクラシック。酒の種類はそう多くないものの、地元のものを中心に的を射た揃えで、これで十分です。
良くも悪くも北海道らしかったです。仕事は言ってしまえば大雑把です。たとえばそのお通しの刺盛り、もう少し大きな皿を使った方が見た目もきれいだしさらに豪華に見える。切り分けはやや不揃いだし、烏賊など山葵を盛る台と化してしまっている。とにかく切って盛っただけ、いや乗せただけという印象なのです。続いて注文した𩸽のつくね串にもそれは顕著でした。マヨネーズが上に塗られているのです。焼き立て熱々のところに乗ったマヨネーズの匂いが強めに立ち、味も香りもあったものじゃありません。なにも上に塗らなくとも、皿の端にマヨネーズを盛ればいいのに、と思いました。
しかし新鮮な魚介をここまで大盤振る舞いされると、これらの粗が些細な事に思えてきます。たったの五百円でこれだけの刺盛りが食べられてしまうとは、これぞ北海道の魅力。カウンターが長く外からも様子が窺えて入り易いことも書き添えておきましょう。先客は独酌の常連でした。一度は訪ねて損のない店です。

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