
二軒目へ移行します。四条河原町から祇園にかけての一帯の人の多さには閉口します。しかも大きな音量で音楽を流す、道端で煙草を吸う、唾を吐くなど素行の悪い外国人が多く、昔よりも下品で汚くなったのは本当に残念です。そんな狂騒も、中心部から一歩それると途端に静かで風情ある京都らしさを取り戻すのだから面白いものです。この店もそんな場所にあります。
小さな橋で小川を渡った先の、車が入れない細い小路に建つ様。豆腐を中心に据え、看板に屋号に並んで湯どうふの文字が書かれる様。どちらも私の理想とするところです。数年前に初めてここを訪ねた際に感動し、是非とも再訪したいと願っていました。それが今日叶って本当に嬉しいです。
カウンターだけの小さな店で、女性二人が切り盛りします。そのカウンターは木曽檜の白木、たいへん素晴らしいものです。まずはお通しを豆腐、おから、てっぱいの中から一つ選んでくれと言われます。即答で豆腐を所望しました。これが非常に美味い。当たり前の話で、ここは創業百八十年の豆腐屋を兼業していて、主人はその七代目なのだそうです。まさに京都ならでは。
さらにここは鴨川で獲れたはえなど川魚を出してくれます。鮎の洗いを試してみたのですが、白子が付いてきたのに驚きました。鮎の白子は生まれて初めて食べたのですが、川魚とはとても思えない清涼な味わいに唸りました。何から何まで文句なし、これで一人頭五千円もかからないのだから恐れ入ります。
京都を訪ねる喜びをここまで実感させてくれる店はないでしょう。また訪ねる機会がやって来ることを切に願います。

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