即時更新でお届けする、日本一周の旅実況中継

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アイドルグループの話題ではありません(笑)。私自身がバイク旅から卒業するという話です。
私はこの先の人生で、原付バイクで長旅をすることはもうありません。万が一あるとすれば原付の利が最大限に活かされる、原付こそが最良の足である沖縄への旅ですが、その場合も泊まるのは宿のみ。キャンプ道具や調理器具など大荷物を積んでのバイク旅は二度とないです。日本一周の旅の末にこのような心境に辿り着いたわけではありません。出発前から見えていたことです。そして実際に二年半、5万6千kmの長旅を経て、この思いは全く変わりませんでした。

大前提として、私はバイク旅には向いていません。何を言っているのか意味が分からない、今さらに過ぎて返答のしようもない。こんな風に思われる方もいらっしゃるでしょうか。これは冗談でも何でもなく、本気も本気です。
当たり前ですが、バイクが嫌いなわけではありません。好きでなかったらこんなに乗れるわけがない。色々な条件が揃えば、という但しは付くものの、オートバイでの走行は非常に楽しく気持ちがいいものです。気分爽快とはこれを言うためにある言葉でしょう。しかし、世の中にはオートバイという乗り物に心奪われ、愛してやまない生粋のライダーというやつがいます。夏の北海道など行くと特に、こうした人達と自分との温度差を実感します。私は旅の手段の一つとしてバイクに乗っているに過ぎないのです。
その何よりの証拠が、日本一周の出発前や福岡での半年間の越冬中、カブを殆ど動かさなかったという事実です。ひと月に一回くらい、調子を維持するために乗らなくては、という義務感から買い物ついでに数kmを走るだけでした。天気の良い週末にバイクで景色の良いところに出掛けようとか、そういう発想が全くないのです。そんな面倒なことはしたくありません。

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今夏北海道でこんな事がありました。カブで7km程走ってライダーハウスから最寄りの銭湯まで風呂に入りに行きました。往路は雨が降っていなかったのに、風呂から出て帰ろうとすると大粒の強い雨が降っているではありませんか。心の底からうんざりする、気が滅入るというのはこういう時のことを言うのだと思ったのです。きっとオートバイを愛する生粋のライダーだったら、こういった出来事も笑い話に出来るのでしょう。しかし私には到底無理です。その時私の心は、車の人が羨ましい、バイク旅は嫌だという気持ちで占められていました。

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では何故そんな辛い思いをしてまでバイクでの旅を続けたのか、と思われるかも知れません。それは、日本一周の足としてスーパーカブが模範的な回答だったからです。特に数多くの離島に足を運ぼうとするなら、原付バイクしか考えられませんでした。たとえば鹿児島から那覇へ渡る際、原付バイクなら航送料金は五千円台ですが、これが車になると軽自動車であってもその十倍以上もの金額がかかります。博多港と対馬の厳原港を結ぶ航路で比べても、原付が3,140円なのに対して軽自動車は18,910円と、六倍近い開きがあります。
だからこそいくつかの選択肢の中から原付バイクを選んだのであって、これは旅の期間を一年延ばしてまでも離島巡りに執着した理由でもありました。

旅に我慢はつきもの。旅というのは本質的に多かれ少なかれ我慢をするものです。これはトイレやシャワーまで備えた大型キャンピングカーの旅であっても、グリーン車で移動してホテルに泊まり歩く旅でも変わりません。あるのは程度の差だけです。帰宅すれば冷蔵庫に自分の好きな銘柄のビールが冷えていて、お気に入りの番組が録画されていて、指定した時間にネットで買った品物が届き、自分に最適の寝具で眠りにつく…そんな何不自由ない「家」とは根本的に違うのです。

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ではそんな不自由をどこまで我慢出来るか、これがどういう旅を可能にするかの鍵となります。毎日個室の宿に泊まらないなんてとても無理だという人もいるだろうし、テントなしの寝袋のみで風呂にも入らず何日でも平気で野宿出来る人もいるでしょう。私にとって原付バイクの旅は我慢が出来るぎりぎりの線でした。毎日風呂に入るかシャワーを浴びなければ絶対に生きていけないし、毎晩冷えたビールが飲めないのであれば端から長旅など諦めます。
以前旅先で会った人からこんなことを言われたことがあります。原付で日本一周出来るのだから自転車でも行けるんじゃないですかと。私は即答しました。自分には絶対に不可能ですと。毎日風呂に行くのが大変過ぎるからです。

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そんなぎりぎりの線で旅をしていたから、たとえば風呂帰りに雨に降られた時に、心底うんざりして絶望的な気分にすらなったのです。しかし、時にそんなぎりぎりの我慢をし、時に原付の利を大いに楽しみながら、どうにかこの日本一周を完遂することが出来ました。そして数多くの離島を次々と訪ねるという、原付バイクでの日本一周の核とも言える部分も満喫出来ました。貨物船に預けて海を渡し、さらにフェリーに乗り継いで愛車と共に波照間島や与那国島を訪ねるなど、自動車ではまず出来ないことです。
多くの離島を安価に訪ねる代わりに自分にとってぎりぎりの我慢をする場面も少なくない旅は、ここに終わりました。もういい歳です、この先は体力的にも我慢出来る線はより低くなっていくでしょう。積年の夢である、軽自動車のバンで車中泊をしながらの長旅に襷を繋ぎます。

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コメント
この記事へのコメント
ビートさんこんにちは

表題と内容は少々衝撃的でしたが、記事を精読させていただいて納得いたしました。

常々ビートさんはキャンプ泊も旅の手段である等々旅のスタイルや考え方については一貫していらっしゃいましたし要は自分の体力や財力にあった旅のスタイルを選択するのがベストだと思います。

たまに旅の手段で序列的な物をつけたがるきらいの考え方をする方をお見受けしますが、僕の意見としてはひとそれぞれの旅のスタイルがあると思いますし旅人どうしそれはお互いを尊重していった方が建設的な様な気がします。

かく言う僕自身は旅というものは多少過酷な方が晴天のありがたみも味わえるし生きている実感があるのでバイクはもちろん徒歩や自転車の旅にも憧れはあります、ただ今年のGWの北海道ツーリングでは寄る年波を実感したのは事実ですし、以前と違って無茶がきかなくなってきたのは自身痛感したのは記憶に新しいです。

くどくどと長くなってしまいましたが別に旅の手段をバイクや徒歩や自転車に固執する必要は全くないと思いますしご自身のベストな方法でベストな旅を目指すのが最良なのだと言う結論でこの駄文を終えたいと思います。
2019/11/14(木) 22:09 | URL | トミー #-[ 編集]
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