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日本一周の道中に訪ねた二百軒を超す居酒屋の中には、忘れられない名店があります。それらを思い付くままに振り返ってみたいと思います。酒肴の質や価格などの客観的な評価というよりは、自身の印象に強く残っている店です。忘れられない店と称するより、居酒屋を訪ねるという旅の一つの情景としての、忘れられない場面と言った方がいいでしょうか。
それ故、簡単には行けない僻地や離島の店がやはり多く登場することになりました。

●喜多八(鹿児島県奄美市)

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出会いは偶然でした。二軒目に良さそうな店を探しつつ名瀬の市街地をのんびり歩いていた時のこと。たまたま目の前を通り掛かった時、数人連れが店から出てくるところで、往来から中の様子がよく見えました。そしてカウンターの手前の方が空いていたのです。何かの縁と思い飛び込んだところ、衝撃を受けました。目の覚めるような美味な料理の数々、非の打ち所がない完璧な料理とはこれを言うのだと思いました。
これは二軒目の格ではありません。後日開店時刻を狙って改めて訪ねました。開店とほぼ同時に全ての席が埋まる様に圧倒されながら、改めてシマジュウリのコースをいただきました。もう一度繰り返します、全ての品が非の打ち所がない完璧な料理でした。それは感動的ですらありました。酒は事実上の飲み放題で、これでたったの四千円。この店は奄美大島の宝です。もしこの島を訪ねる機会があるなら、一人であっても予約をして絶対にこの店を訪ねるべきと強くお薦めします。

●味○(沖縄県竹富町)

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波照間島にある日本最南端の居酒屋です。ここは訪ねることそのものに意義があるのであって、内容についてうるさいことを言うのは野暮だと思っていました。言い換えれば、失礼ながら内容については大して期待をしていなかったのです。しかしこれが裏切られたのだから嬉しかったですね。
何から何まで、これぞ居酒屋という名店でした。もし日本最南端でも何でもなく近所にあったとしても、きっと足繁く通うでしょう。

●海響(沖縄県与那国町)

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こちらは日本最西端の居酒屋です。ここについても同様でした。訪ねることそのものに意味があるのであって、たとえつまらない店だったとしても不満はない。そんな思いを抱きつつ暖簾をくぐると、たいへんな名店だったのです。ここで食べた刺身は忘れられません。一つ心残りだったのは、どうしてこれで「いすん」と読むのか、そしてこの屋号の由来は何なのか、店の人に聞くのを忘れたことです。
しかし今となっては、それで却って良かったと思っています。可能性は限りなく低いけれど、もし先島までのフェリー航路が復活したなら万難を排して与那国島を再訪したい、その時に海響は健在だろうか、そのような浪漫を思い描くことが出来るからです。そういう意味でも、これぞ忘れられない居酒屋です。

●豊月(長崎県壱岐市)

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壱岐では無料のキャンプ場に泊まると決めていたので、居酒屋を訪ねることは諦めていました。ところがいざ上陸すると、まさかの衝撃的な展開が待っていました。無料で良いキャンプ場から歩いて数分のところに、教祖おすすめの居酒屋があったのです。これには本当に驚きました。それが豊月です。
内外ともに重厚な贅沢な造りで、刺身を筆頭に文句なしの美味でした。雰囲気といい価格といい日参できるような店ではありませんが、生涯で再訪することがあるかどうか分からない壱岐島でとっておきの名店を訪ねることが出来たのですから、これも忘れられない旅の一幕です。

●連(石川県輪島市)

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越冬生活を経て壱岐、対馬、隠岐を訪ねたところで、必ず行かなければならない所に全て足を運びました。そこから先は蛇足の感も拭えなかったものの、それでも印象的な場面というのはあるものです。その筆頭がこの店を訪ねた時です。袖ヶ浜キャンプ場から居酒屋まで歩いて行けるという同好の旧友の指摘に、目から鱗が落ちる思いでした。満を持して再訪した能登でそれが叶ったわけですが、それがとびきりの名店だったのだからこれ以上のことはありません。

●おおい(高知県高知市)

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自力で発見した名店というのはかけがえのない存在であり、永く愛用することになります。この旅の道中でもそんな店が何軒かありましたが、喜多八と双璧を成すのがここです。
当地名物の鰹や鯖、うつぼなどの鮮魚のみならず、白和えや煮物といった惣菜まで、あらゆる料理が完璧な美味なのです。主人は京都か大阪で厳しい料理修行をした人に違いないと私は思っているのですが、背筋を伸ばして味わいたくなるそれらの料理の数々が居酒屋価格で味わえるのですから、こんなに嬉しいことはありません。

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